CAEを普段使ってない人にとって、どんな場面で使えるのか迷うことがあるのではないでしょうか。
今回もシンプルなモデルを用いてCAEを使った設計ストーリー第2弾をご紹介します。
COLUMN
技術コラム
【構造】ひろこの部屋vol.17 大人が座れる収納ケース
収納ケースの補強を考える
今回検討するモデルは右図の収納ケースです。
アウトドアでの利用場面では大人が座る可能性も考えられます。
耐荷重80kgを想定して計算を行ってみましょう。
収納ケースはポリプロピレンの射出成型品を想定します。蓋の高さ80㎜、蓋の板厚は3㎜です。
問題を単純化するため収納ケースの蓋部分だけに着目して計算を実施します。
ここで、拘束条件を考えましょう。
一番簡単なのは、蓋の下側(収納箱側)の面を完全拘束する方法でしょう。
しかし、この拘束では蓋への荷重に対して下側が膨らむ状態は再現できなくなります。
そこで、底面の固定は面外方向のみとします。
今回のモデルは4分の1対称のモデルになるため、4分の1カット形状に対して対象拘束を設定し、拘束不足を回避します。
対称モデルを利用する場合は、荷重条件も4分の1で入力することにご注意ください。
解析を実行したところ合成変位で79.8㎜の変位となりました。
蓋の高さとほぼ同じだけ変形してしまったことになります。
※右図は結果処理でミラーコピーして表示した図
蓋を補強する
蓋の変形量を抑えるための補強を考えます。今回のモデルでは射出成型品のため板厚を上げることは難しいため、内側にリブを立てて補強を行います。設計目標は最大変位10㎜以内とします。
パターン1:1356グラム
リブ間隔 50mm | リブ高さ 10mm | 最大変位 19.8mm |
リブ作成により変位が約4分の1まで抑えることができましたが、まだ目標に達することはできません。
パターン2:1528グラム
リブ間隔 25mm | リブ高さ 10mm | 最大変位 13.0mm |
パターン3:1732グラム
リブ間隔 50mm | リブ高さ 20mm | 最大変位 6.4mm |
パターン2のようにリブの間隔を半分にすることで変位を抑えることはできましたが目標に達することができませんでした。一方、パターン3のようにリブの間隔はそのままでリブの高さを上げると目標を達成することができました。
最後に、収納ケースのスペース確保のため、パターン2とパターン3の折衷案で目標が達成できるか確認します。
パターン4:1708グラム
リブ間隔 25mm | リブ高さ 15mm | 最大変位 5.5mm |
パターン4ではパターン3よりも重量を抑えつつ、最大変位量も下げることができました。
キャンプ後の収納ケース掃除では蓋裏面のリブに苦労していましたが、解析を行ってみてリブのありがたさを実感しました。
[From H. Horiuchi]
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