前回のコラム「【構造】ひろこの部屋vol.17 大人が座れる収納ケース」では収納ケースの蓋について設計条件をクリアするリブ寸法を検討しました。今回は構造最適化を使ってリブ形状の検討を行います。
COLUMN
技術コラム
【構造】ひろこの部屋vol.18 大人が座れる収納ケースに構造最適化を適用してみた
質量を抑える
前回は蓋の変形量を抑えるための補強を考えました。
無事設計目標を達成することはできましたが、対策を講じるうちに重量が増してしまいました。
初期案に対し最終案の質量は26%増となっています。
初期案:1356グラム
リブ間隔 50mm | リブ高さ 10mm | 最大変位 19.8mm |
最終案:1708グラム
リブ間隔 25mm | リブ高さ 15mm | 最大変位 5.5mm |
さて、前回コラムでご紹介した最終案は筆者が複数パターン試して見つけたパラメータセットです。
上司から「もっと軽くできないの?」と指摘されても、自力ではこれ以上の解を出せそうにありません。
そこで、構造最適化ツールに頼り少し知恵を出してもらうことにします。
まずは前回の初期案をスタート形状にして計算した結果をご紹介します。
構造最適化 試作1:1360グラム
リブ間隔 約50mm | リブ高さ 最大50mm | 最大変位 3.0mm |
このケースでは「剛性を最大化する」という目標に向かって最適な形状を計算しています。
初期案と同等の質量で最大変位を15%まで抑えることができました。
一方、リブの高さが最大で50㎜となり収納面ではマイナスな結果となっています。
また、最大変位の設計目標は10㎜に対し試作1の結果は3.0㎜過剰な補強と言えます。
構造最適化の途中解を使うことでバランスの良い形状を採用することが可能です。
構造最適化の計算ステップによる形状変化
試作1は初期にあったリブ形状の影響を大きく受け、改善の幅が制限されています。
続いて、リブの無い状態から構造最適化を適用し新たなリブ配置案が算出できるかを試しました。
構造最適化 試作2:1288グラム
構造最適化 算出形状 | リモデリング リブ高さ 15mm | 最大変位 9.8mm |
このケースでは最大変位10㎜の制約のもと「体積を最小化する」という目標に向かって最適な形状を計算しました。
また、構造最適化の結果を参考にリブの配置を行っています。
設計目標の最大変位10㎜を満たし、質量は初期案5%減の形状が得られました。
上の形状を導くために、リブの配置・本数・高さの微調整を行いましたが、前回コラムの最終案を導きだす時間に対し3分の1程度の時間で設計基準を満たすことができました。
さらに質量も抑えられて上司にも満足してもらえそうです。
では、構造最適化のおかげで浮いた時間をつかってコーヒーブレイクにしようと思います。
使用ソフトウエア: 構造最適化 HiramekiWorks
https://www.sbd.jp/products/kozo/hiramekiworks.html
[From H. Horiuchi]
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