解析結果の評価方法をテーマにこれまで記載してきましたが、今回はよりリアルな解析を目指してコーヒーにミルクを入れたときの拡散の様子を評価していきたいと思います。
混ざるという現象は、対流の効果と拡散の効果によって説明することが出来ます。
対流とは、液体が流体の流れによって運ばれる現象を示し、液体に生じる渦や速度などに影響されます。
拡散とは、複数の液体が存在する場合、それぞれの液体分子の動きによって自然と広がっていく現象を示し、液体間の分子の動きやすさに影響されます。
ミルクをコーヒーに入れるとじわーっとミルクが広がっていくかと思います。これが拡散です。
ミルクの広がりやすさは拡散係数で表し、通常液体同士の拡散の場合、拡散係数は 1.0e-9[m^2/s] 程度の値をとります。
これまで何回かご紹介させていただきましたコーヒー内のミルクの撹拌の様子ですが、これまではミルクの対流の効果のみで評価してきました。
今回は Particleworks の SDK を使って Particleworks の計算に拡散の効果も組み込んで評価してみたいと思います。
SDKとは Software Development Kit の頭文字をとったもので、SDKを使うと通常の Particleworks の計算フローに機能を追加したり、計算方法そのものを変更したりすることが可能になります。
実際に Particleworks に拡散の効果は次の拡散方程式を解くことで考慮することが出来ます。
COLUMN
技術コラム
【流体】ポスト処理:コーヒーミルクの広がり方
ミルクの拡散に粘度変化も考慮したいので、粘性計算の処理のタイミングに拡散計算の機能を追加します。
粒子法では、圧力計算の前に粘度計算をしますのでそのタイミングで濃度拡散の計算と粘度計算の処理を追加します。
今回組み込んだ濃度と粘度の変化のグラフをこちらに示します。
実際に粘度変化を考慮した濃度拡散の結果がこちらです。
撹拌前のミルクを入れた段階で、ミルクの濃度が少しずつ変化おり、拡散の影響で濃度が変化する様子が確認できます。
カップ内の上・中・下の領域の濃度の平均値をプロットした結果がこちらです。
このように濃度変化を組み込むことで濃度が一定値になるまでを混合時間として評価することも可能になります。
この結果ではまだ混ぜる時間が足りていないですね。
このように拡散の効果を考慮したシミュレーションをすることで、よりリアルな撹拌状態の評価が可能になります。
標準機能では搭載されていない機能も Particleworks の SDK を使うと簡単に組み込むことが可能です。
SDKを使ったソフトウェアの機能拡張について興味がありましたら こちら からお問い合わせください。
[From K.Watanabe]
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