今回の流体コラムでは、熱流体解析ソフトSimcenter FLOEFDを使用し、水平置き基板の配置変更による基板の温度変化を検証します。
COLUMN
技術コラム
【流体】熱と流れの不思議vol.5 水平置き基板の配置変更による温度変化
解析概要
今回の解析では、200㎜×200㎜×20㎜の筐体内に180㎜×180㎜×1㎜の基板を設置し、
厚み方向の配置を2㎜ずつ変更して8ケースの検証を行いました。
■解析モデル
▲図表1 解析モデル 両等角投影図 | ▲図表2 解析モデル上面図 |
▲図表3 解析条件
■検証パターン
筐体上面と基板上面の隙間を2㎜間隔で広げた8パターンで検証を実施しました。
▲図表4 検証パターン |
解析結果
■温度結果
8パターンの基板平均温度をまとめた表が以下になります。
▲図表5 基板 平均温度(固体)結果 |
隙間2㎜、4㎜、14㎜、16㎜は温度が比較的低く、隙間8㎜で最も温度が高くなる(99.2℃)という結果になりました。
■流速コンター
▲図表6 速度コンター図 |
基板と筐体の隙間に注目しますと、隙間2㎜、4㎜の解析ケースでは隙間ではほぼ対流が発生していないことが分かります。この場合、基板から筐体へ空気層を経由した熱伝導で熱が伝わるため、空気層が薄い隙間2㎜の方が熱が伝わりやすく、温度も低くなります。
隙間8㎜、14㎜を比較すると、温度が低い結果になった隙間14㎜の解析ケースでは、隙間が広がったことにより自然対流の発生が活発になっていることが分かります。それに対し隙間8㎜の解析ケースは対流の発生は比較的少なく、隙間4㎜と比較しても空気層を経由した熱伝導の効率も悪くなり、温度が高くなっていることが分かります。
まとめ
今回の流体コラムでは、水平置き基板の配置を変更した際の温度変化の検証を行いました。解析結果として隙間2㎜で温度が最も低くなり、隙間8㎜で温度が最も高くなることが確認できました。空間が広いと対流の発生が活発になりますが、徐々に狭くすることで流動が止まり、空気層を経由した熱伝導に変わるために温度が上がることを確認しました。また、熱伝導では層の薄い方が熱が伝わりやすいため、更に隙間を狭くすると温度が下がることが確認できました。
[From K.Okano]
■解析条件 | |
---|---|
発熱源 | 15 W(基板全体) |
物理特性 | 重力考慮(自然対流) |
熱伝導率 | 基板:100 W/(m*K) 筐体:140 W/(m*K) |
環境温度 | 20 ℃ |
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