前回は、AIAGVDA FMEAのキーポイントである 7ステップの解析手順 についてご紹介しました。
今回は、処置優先度(AP : Action Priority)をご紹介します。
従来のFMEAでは、リスク評価の基準としてリスク優先指数( RPN )を使用していました。
RPN とは影響度・発生度・検出度を掛け合わせたもので、それぞれが 10 段階評価のため 1 ~ 1000の値となります。
しかし、RPN は検出を強調しすぎていると長い間批判されてきました。
例えば、発生頻度を固定値とした場合、下記2ケースはどちらも同じ RPN となります。
COLUMN
技術コラム
【リスクマネジメント】vol.6 RPNとAPの違い
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FMEA は、リスクが大きい故障モード、つまり RPN が大きな故障モードから重点的に対策を講じていきます。
この 2 ケースで対策の優先度が同じであるのは、現場と乖離しているという声が多くありました。
そこで、AIAG & VDA FMEAハンドブックから、RPN を廃止して、代わりに処置優先度( Action Priority : AP)が導入されました。
AP は、対策の優先度を “High” 、 “Medium” 、 “Low” の3段階で評価します。
この優先度は、影響度・発生度・検出度の 3 次元マトリクスで定義されています。
この AP マトリクスを使うことで、検出管理が有効であったとしても、“影響度” と “発生度”が “中程度” であれば、
APは “High” または “Middle” と判断されます。
逆に、エラーの未然防止処置を実施すれば、処置優先度の水準を効率よく下げることができ、
例えば AP を “High” から “Middle” に、“Middle” から “Low” に低減できます。
次回は FMEA-MSR についてご紹介します。
参考文献
・Automotive Industry Action Group(全米自動車産業協会)、AIAG&VDA故障モード影響解析-FMEAハンドブック英日対訳版-、一般財団法人日本規格協会、2019年
[From Y. Komiyama]
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