装置内の粉体の詳細な挙動は実験的に捉えることが難しく、これまでは経験的に理解するしかありませんでした。
近年、このような現状を解決する方法として、粉体シミュレーションが注目されています。
粉体シミュレーションとは、コンピュータを用いることにより、粉体の挙動を数値的に解析して可視化する技術のことです。
粉体シミュレーションの様に、コンピュータを用いて物理現象を解析する技術のことを「数値シミュレーション」と言います。
粉体シミュレーションの前に、まずは数値シミュレーションについて見ていきましょう。
COLUMN
技術コラム
【粉体】粉体シミュレーション その1 数値シミュレーションとは
数値シミュレーション
先に述べたように、数値シミュレーションとは、コンピュータを用いて物理現象を解析する技術のことです。
数値シミュレーションは特別なものではなく、様々な物理現象を解析するために、広く利用されています。
身近なものでは、天気予報にも数値シミュレーションが用いられています。
数値シミュレーションにより、どのような物理現象でも解析できるように感じる方もいるかもしれませんが、そうではありません。
解析できる現象を理解するためにも、数値シミュレーションの中身を見ていきましょう。
背景理論
はじめに、数値シミュレーションには、背景となる理論(方程式)が必要となります。
例えば、風の流れを計算する数値シミュレーションでは、流体力学が基になっています。
背景となる理論の中では、適用範囲が限定されていることが多くあります。
先ほどの例で挙げた流体力学は流体の流れ方に関する理論であるため、製品の壊れやすさなどは記述されていません。
背景となる理論で記述されていない現象に関しては、数値シミュレーションでも解析することはできないということです。
数値シミュレーションを行う上で、どのような力や相互作用が記述されているのかを把握しておくことはとても重要になります。
離散化
少し不思議に感じるかもしれませんが、コンピュータでは、連続的に物事を取り扱うことができません。
そのため、現実とは乖離しますが、数値シミュレーションおいて、空間や時間はとびとび(離散的)になります。
このようにとびとびに取り扱うことを「離散化」と言います。
離散化を考えると、数値シミュレーションが現実を完全に再現することができないことが分かります。
もちろん、離散化する間隔を狭めることで現実に近い現象を計算できますが、完全に再現することはできません。
アルゴリズム
アルゴリズムとは、計算する手順(手法)のことを指します。
離散化により理論をコンピュータ上で取り扱えるようになりました。
次に、理論に従って、物理現象を計算してくわけですが、その方法はいくつも考えられます。
簡単な例として、「A×B+A×C」を求めることを考えてみます。
この計算では、表記のままに(A×B)と(A×C)をそれぞれ計算してから合計を求める方法と、B+Cを先に計算してからAを掛ける方法が考えられます。
答えを得るまでに前者は3回の計算を行い、後者は2回の計算を行います。
そのため、後者の方が早く答えを得られることが分かります。
これらの計算手順がアルゴリズムです。実際には、ここまでシンプルな計算ではありません。
そのため、少し驚かれるかもしれませんが、アルゴリズムによっては計算速度のみではなく、計算精度(答え)も異なってきます。
次回は一般的に数値シミュレーションを始めるために必要な情報について説明していきます。
[From K. Yamaguchi]
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