今回はiGRAFの最も重要な特徴(連成解析)を用いて流動層の解析をご紹介させていただきます。
連成解析を使用するため、一般的には複数のソフトウェアとの連成が必要ですが、iGRAFでは単体で三相流(固体-気体-液体)まで解析することができており、他のソフトウェアとの連成は不要となります。
CASE
技術コラム
【粉体】粉体シミュレーションの解析事例 vol.3 流動層の解析事例
流動層の解析事例
背景
流動層で付着性が高い粉体を処理する際に、チャネリングの現象が発生するリスクがあります。
チャネリングは粉体層内部にパスができて、気流がその部分しか流れなくなる現象です。
その結果、流動層内部の均一な流動化ができず、最も大きな課題になります。
実験ではチャネリングの現象の確認が難しいので、課題を解決するまで無駄な時間が掛かります。
目的
iGRAFでチャネリングの現象を確認します。

解析モデル
付着性が高い粉体に対して、チャネリングが発生する可能性が高いので、付着性が低い粉体(ケース1)と付着性が高い粉体(ケース2)を用いて、流動層の解析を行い、チャネリングの発生を評価します。
各ケースとも右図の様に粉体を上下で色分けします。
解析結果および考察
解析を実施して、下記の様に様々な計算結果を確認できます。
まずは各ケースの 粉体挙動結果 を確認します。
挙動結果:付着性が低い粉体(ケース1) | 挙動結果:付着性が高い粉体(ケース2) |

粉体の挙動結果を確認すると付着性が低い粉体は全体的に流動化している様子を確認できました。
一方で、付着性が高い粉体では低層部の粉体は上昇していないことを確認できました。
続いて、細かく確認するために各ケースの粉体の 移動速度結果 を確認します。
速度:付着性が低い粉体(ケース1) | 速度:付着性が高い粉体(ケース2) |

粉体の速度結果を確認すると、付着性が低い粉体は全体的な速度変化を確認することができます。
一方で、付着性が高い粉体では、中央から表層部の粉体のみに速度が発生することが分かります。
続いて、チャネリングの発生を確認するため 空隙率 の結果を確認します。
空隙率:付着性が低い粉体(ケース1) | 空隙率:付着性が高い粉体(ケース2) |

空隙率は領域内に含まれる粉体間の隙間(空気)の割合を表します。
空隙率0は領域内が全て粉体で満たされており、1は粉体が存在しないことを表します。
つまり、青色は粉体で赤色は空気を表します。
各ケースの空隙率の結果を確認すると付着性が高い粉体は約10秒後にチャネリングが発生することが分かります。
他の活用方法
課題の確認ができたので、解決策を見つけるため下記の解析を実施できます。
① 装置の設計(流入口の位置、サイズ、配管の直径など)
② 運用条件(流入速度、充填量など)
[From L. Chiew]
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