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技術コラム

【粉体】Vol.6 安息角

2020年05月21日

「 安息角 ( あんそくかく ) 」は粉体の流動性を表す指標としてよく用いられる物性値の1つです。
安息角とは、水平な面上に粉体を静かに堆積させて自然に形成された山の斜面と水平面とがなす角度のことになります。

粉体がさらさらしている場合には、形成される山は緩やかになるため、安息角が低くなります。
一方で、粉体がべたべたしている場合には、急な斜面を持つ山が形成されるため、安息角が高くなります。

この様に、安息角は粉体の流れやすさを表す指標として用いることができます。




安息角の測定方法

安息角の測定には、漏斗と円盤の受皿を用いた注入法がよく用いられていますが、その他にも排出法、傾斜法など様々な測定方法があります。
測定環境によって安息角は変動しやすいため、測定値とともに測定環境を管理することも重要となります。
例えば、湿度が高い場合には、粉体は互いに付着しやすくなり安息角は高くなる傾向にあります。

■ 注入法
注入法では、まず漏斗から一定の距離離れた下方に受け皿を用意します。
漏斗内に試料を投入して一定の速度で受け皿に堆積させていきます。
その後、受け皿から試料が漏れて堆積した粉体が一定の山を形成した時点で安息角を測定します。

■ 排出法
排出法では、試料を充填した容器の底面に小さな穴をあけて、試料を容器から排出させます。
試料が排出し終わった後に容器に残った粉体が形成する斜面から安息角を測定します。

■ 傾斜法
傾斜法では、円筒容器などに試料を充填して容器を傾けていきます。
傾けた際に容器内の粉体が形成する斜面により安息角を測定します。

安息角は、比較的容易に測定できることからもよく用いられる指標ではありますが、実際には堆積した粉体はきれいな斜面を形成しないことも多くあります。
きれいな斜面でない場合にも安息角を定義するために、斜面の角度を直接求めるのではなく、特定の位置の粉体の座標から求められます。

例えば、注入法では底面上の端点と頂点から安息角を求めます。

粉体シミュレーションと安息角

粉体シミュレーションは、粒子一粒一粒の運動を数値解析で求めて、粉体の挙動を可視化するものです。
粉体シミュレーションでは、粉体挙動を再現するために、よく安息角を再現するようにパラメータの調整を行います。

例として、粉体シミュレーションで安息角を算出した結果を下図に示します。シミュレーションでも、実験と同様にきれいな円錐を形成するとは限りません。
きれいな斜面を形成しない場合にも斜面形状の特徴を抽出して測定値と合わせることも可能になります。
下図の例では、堆積した粉体をケーキのように8等分した断面上の表面形状を曲線で表示しています。
これらの曲線から安息角を求めています。

[From K. Yamaguchi]




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