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【粉体】Vol15. DEMを用いた粉のシミュレーション:結果評価 Granular temperature
シミュレーションの結果評価
シミュレーションを用いることによりどのような結果が得られるか・何が評価ができるかというのは、シミュレーションを使う判断をする際に重要な要素かと思います。実験での取得が困難であったり、そもそも取得ができないパラメータについて、シミュレーションを用いることで取得ができるようになるため実験手法とは別視点からの評価ができる可能性があります。
今回はDEMを用いた粉のシミュレーションにおいて、粉体の運動特性を評価する際の指標【Granular temperature】について解説します!
Granular temperatureとは?
Granular temperatureとは粉体の運動状態のランダム性を示す指標であり、全粒子が同じ動きをしている場合は0に近づき、ランダムに運動するほど高くなります。粉体の混合や撹拌等を行うような場合にはGranular temperatureが高くなるように設計したり、対して混合を伴わない搬送等を行う場合にはGranular temperatureが低くなるように設計したりという様に使います。
Granular temperatureの算出
Granular temperatureは下記のような定義式で表されます。
この式が意味しているところは、①各粒子の各方向における平均速度との差を取得(青線部分)し、②着目領域内の全粒子について速度差の足し合わせ(緑線部分)を行い、③x,y,z方向の成分の数だけ足し合わせ(赤線部分)を行い、最後に足し合わせた数で割るという操作を行っています。
つまり、平均速度との差について全粒子、全方向に対する平均値を取得しています。
従って、全粒子が同じ動きをしている場合は平均値との差が小さくなり、最終的にGranular temperatureが小さくなり、ランダムな運動をしている場合は平均速度との差が大きくなるため、Granular temperatureが大きくなります。
さいごに
今回はDEMを用いた評価の例としてGranular temperatureについて解説しました。
次回からはシミュレーションを行う際に必要となる考え方、【境界条件】について解説していきます。次回をお楽しみに!
[From S. Kato]
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