前回は、3種類の非線形のうち幾何学非線形(【構造】ひろこの部屋Vol.10)を紹介しました。
今回は幾何学非線形解析の解析事例を紹介します。
COLUMN
技術コラム
【構造】ひろこの部屋vol.11 線形vs非線形 ~薄板の曲げ問題~
薄板を曲げる
前回ポンチ絵で紹介した薄板を指で曲げる問題を実際に解析で計算してみましょう。
実際の変形と非線形解析の仕組み
解析モデル
〇形状
長さ(X方向): 300㎜
幅(Z方向): 20㎜
厚さ(Y方向): 3㎜
〇材料物性
弾性係数: 210,000MPa
ポアソン比: 0.28
確認解析(微小変形)
端点を固定、厚み方向(Y方向)に2Nの力を与えた場合、合成変位の最大値は1.89㎜となりました。3㎜の厚さに対し変位は63%となり微小変形範囲となります。
線形vs非線形(荷重100倍)
続いて、荷重を100倍の200Nにして計算を行います。
線形解析の場合、荷重を100倍にすると変位は100倍になります。荷重2Nの場合の合成変位が1.89㎜なので線形解析の変位は189㎜と予測できます。
〇線形解析の結果
予測通り合成変位の結果は189㎜(上図左)となりました。またXY平面で表示した変形図(上図中央)では変形後の端点が変形前の端点の真下にあることが分かります。また、X方向の変位結果(上図右)では数値的にもX方向の変位が無いことが分かります。
〇非線形解析の結果
非線形解析では合成変位の最大値が150㎜(上図左)と線形解析の結果と乖離があります。XY平面の表示した変形図(上図中央)では変形後の端点が変形前の端点より根本に移動していることが分かります。X方向変位の最小値はマイナス45㎜(上図右)となり、数値的にもX方向の変位を確認することができます。
続いて、荷重と合成変位のグラフを確認します。
荷重の小さいうちは線形と非線形の値がほぼ一致していますが、荷重が80Nを超えたあたりで乖離が大きくなっています。大きく変形するモデルでは形状剛性や荷重方向の変化を更新できる非線形解析の利用が望ましいことが分かります。
最後に
身近にある幾何学非線形の事例をインターネットで調べるとセーフティボタン(瓶を開封するとポコっと音がする機構)がヒットします。次回はセーフティボタンの事例を紹介します。
[From H. Horiuchi]
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