以前の流体コラムでは、キャビテーションと呼ばれる現象と、どのように騒音や振動を発生させ、機器に浸食損傷を与えるのかを紹介しました。
このコラムには以下のリンクからアクセスできます。
【流体】流れの現象調べ隊 vol.1 ~キャビテーション編~
今回の流体コラムでは、キャビテーションの潜在的に壊滅的な影響の実例をご紹介します。 キャビテーションのよく知られた影響は、マリンプロペラの羽の浸食です。
環境流れ条件に対してプロペラの回転が速すぎると、羽の前縁の圧力が水の飽和圧力を下回る可能性があります。これにより、その領域の水が蒸発して泡になります。
泡が下流の周囲の圧力が高い領域に移動すると、内部の蒸気が凝縮して液体に戻ります。泡が崩壊し、周囲の水が激しく内側に引き込まれます。
周囲の水の内向きの勢いにより、崩壊する泡内の圧力と温度が急激に上昇します。圧力は数百気圧、温度は数千度に達することがあります。
そのような極限状況は、近くのプロペラ の羽の表面に孔食損傷をする可能性があります。
SOLIDWORKS Flow Simulation で、キャビテーションが発生する場所を予測できます。
その予測を使用して、プロペラの最適な動作条件を決定できます。あるいは、設計者はキャビテーションの発生を最小限に抑えるために、プロペラの形状を変更することができます。
今回の解析では、マリンプロペラのキャビテーションを実証し、その結果をキャビテーション水槽の実験と比較します。