さて、今回は最近あった解析の事例から、流入と流出の境界条件について考えます。
最近対応したサポートで、次のような事例がありました。
途中に狭い流路のある水の流れの解析です。入り口は圧力を指定しました。圧力としてはかなり低く1/10気圧です。出口には質量流量を指定しました。出口側での圧力はさらに低くなりキャビテーションまで考慮した解析でした。
この条件で計算したのですが、適切な結果が得られませんでした。具体的には入り口の質量流量が出口の質量流量の数分の一しか発生しておらず、明らかに解析が破綻していました。
いろいろと調査した結果、そもそも境界条件自体が成り立たない条件になっているという結論に至りました。具体的な確認方法としては、出口に考えうる最小の圧力を指定して解析を行い、その際の質量流量を求めたところ、当初指定した質量流量の1/4程度にしかなりませんでした。つまり、当初想定した流入圧力では指定した質量流量は発生し得ないという事になります。お客様には境界条件を見直していただくようお願いしました。
このことから得られる教訓としましては、特殊な条件では流量指定の場合、境界条件として成立しない可能性がある。その場合には、流入流出ともに圧力指定にすることで、解決のヒントが得られるということでした。
改めて境界条件の組み合わせを考えますと、流入流出についてそれぞれ、以下の選択肢があります。
・圧力
・質量流量
・体積流量
今回の例からもわかるように「圧力-圧力」の組み合わせが最も解析上安定します。
また、質量流量と体積流量の違いとしては、特に気体の場合、密度変化があるために、質量流量の方が本質を表します。
どうしても気体を体積流量で指定する場合には、前提とする温度と圧力を明確に指定する必要があります。
いかがでしょうか。
解析する上で最も重要でかつ悩ましい境界条件ですが、少しでも参考になりましたでしょうか。
[From Y.Iijima ]
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