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CAEエンジニアの応援歌 最新号「理と利と情」

2025年04月17日

理と利と情

皆さま、こんにちは。 Mt.Fujiです。

マッチングアプリさん、SMILEさん、SSKさんと、豊富な経験と実績に基づいた頼もしくも楽しい話題に、一読者として、首が折れるくらいにうなずきながら、たくさんの元気を充電させて頂きました。
SSKさんからのバトンを受取り、今、悩み苦しみながらもCAEに奮闘されているエンジニアに何らかの元気の素をお届けできれば幸いです。
そこで本日のテーマは、CAEの社内普及、と題してお話しさせていただきます。

企業様ごとに風土、文化、環境が異なりますから、CAEの社内普及のポイントも多少異なる部分もあると思いますが、私は3つ不変なポイントがあると考えています。
まず1つめは、初期投資と、ある程度のスキルを保有する人材は必要不可欠であるということ。

そのためには、我々のような中小企業では経営TOPも含めた経営層とのコミュニケーションが不可欠になり、最終的には稟議という関所を突破しなければなりません。

経営層とのコミュニケーションとなると、CAEの経営貢献を難しいCAEの適用事例で説明するのではなく、ストレートに金額で表現が必要。

つまり、CAEがどれだけ儲けにつながっているのかを伝える必要があります。

この問題は、CAEに取り組む読者の皆様の多くの方々が、一度は悩んだことのある問題ですよね。

いわゆる費用対効果の問題であり、経営層がもれなく投げかけてくる難問で、答えが無い難解です。

私はいつも講演をさせて頂く際に、必ずこの費用対効果の問題に取り組んできた独自の方法を紹介してきました。

やっていることは至って単純です。1つの解析問題を実施したことによって、以下の項目を具体的に定量化し金額換算するだけなんです。

・解析を実施していなかったら発生していた工数(設計工数や実験工数、購入品手配工数など)

・解析を実施したことによって購入しなくて済んだ部材費用(試作費用、実験部材など)

・実施した解析の対価(当社の場合、売り上げ価格の何%相当か)

文字で書けばこれだけのことですが、実際に数値を把握することは、とんでもない苦労の連続でした。

私達はCAE専任部署ですので社内設計者などから解析案件を受託しています。その依頼元設計者にこの数値の提示を求めます。

解析が完了し報告説明時の最後にこの数値の提示をお願いしておくのですが、もちろん即答できませんから、回答シートを渡しておきます。

しかしこれが、催促してもほぼ返信されてきません。

なのでこちらから詰め寄って強制的に記入させないとダメで、横について記入してくれるまで離れない、そんな状態が長く続きましたが、これがあればもっといいソフトが購入できてもっと早く高精度な結果を出せるようになるからと説得し続け、それを実現させてゆくことで徐々に信頼してもらえるようになりました。

ここでもう1つ大事なのは、この1つ1つの効果試算は、担当者同士で終わらせずに部長クラスの承認を得た公式データにしておくことです。

でなければ、担当者同士のおままごとになってしまい、説得力が欠けてしまいます。

そして2つめのポイントが、予算や人材獲得のために、この費用対効果と併せてセットで考えておくべき内容です。

それが社内CAE技術のロードマップです。

自分たちが、この先どのくらいの時間軸で、どんなレベルまでCAE技術を発展させて、どんな課題がクリアできて品質向上貢献できるかを示すこと。

そのために今、足下に必要な投資と人材について要求するためです。

場当たりに、思いつきでCAEに取り組んでいるのではなく、会社の発展を見据えた継続的な技術力向上が前提であることを伝えるのです。

会社の中期経営計画や取り組み方針などに紐ついていればなお良しですね。

クラウド環境の活用が加速し、AIも驚くべきスピードで進化しています。そんな最新情報を逐次ロードマップに盛り込むことも大事です。

社内でいつ要求されても常に最新版で示せれば説得力は上がります。

そして3つめのポイントですが、何があっても諦めない、へこたれない、腐らない、CAE普及に熱い情熱を注げるリーダーが必要であること。

CAEが社内で市民権を獲得できるようになるまで、多くの抵抗勢力に立ち向かわねばなりません。膨大なエネルギーが必要です。

上記のような内容を2011年のKKE VISIONで講演させていただいたとき、聴講頂いたルポライター様から、プレゼント頂いた言葉があります。

あなたの講演内容を一言で言えば「理と利と情で仕事する」だね、と。

ど真ん中を射貫かれた感覚を今でも覚えています。

「理屈を大事に、ソフトを利用して、最後は情熱で訴える」、まさにその通り!感動しました。

しかし一人では限界があり、やはり味方を一人づつでも増やす努力をしつつ、継続的な成果アピールもとても大事です。

他にもいくつかのポイントはありますが、最初に述べたように企業様ごとにそのポイントプライオリティーも変わりますよね。

そんな悩みをお抱えの方、是非お話しさせて頂ける機会があれば遠慮なくお声がけください。

そして、また違った取り組みで成功されておられる方、是非聞かせてほしいので、このコーナーでのご披露をお待ちしております。

さ~て次回の応援歌は~(サザエさん風に)、第1回SBD利用技術研究会の時に知り合った最も古い仲間の一人で、昔は一緒に流体サポートエンジニアI氏に苦闘していたTomTomさんへバトントスです。 よろしくです。

[ from Mt.Fuji ]

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