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【流体】3DEXPERIENCEを使用したシリコンウェハのスピンコーティングの解析
【流体】3DEXPERIENCEを使用したシリコンウェハのスピンコーティングの解析
背景
本コラムでは、3DEXPERIENCE Works SimulationのFluid Dynamics Engineer(略書:FMK)で実施したスピンコーティング工程のベンチマーク解析についてご紹介します。
スピンコーティングは、半導体製造業界で広く使用されています。フォトリソグラフィーによって集積回路をシリコンウエハにプリントするための準備段階として、スピンコーティングによってウエハをフォトレジストの薄膜でコーティングします。
フォトレジスト膜の厚さは重要なパラメータです。スピンコーティングは機械的にシンプルで効果的な方法であり、コーティングされた表面全体にわたって非常に均一な厚さを実現することができます。
解析設定
本ベンチマークでは、以下を含むFMK 内のいくつかの解析及び物理モデルを示します。
• 時間依存ソルバー
• 自由表面流れ (VOF 法)
• 重力モデル
• カスタム流体材料物性
• 表面張力モデル
• 移動壁 (回転)
一般的に使用されるタイプのフォトレジスト SU-8 の物性を再現するカスタム流体材料を定義しました。
• 密度:1190 kg/m3
• 動的粘度:1000 Pa.s
• 表面張力:0.045 N/m
※ SU-8 の動的粘度は、応用に合わせて調整された組成に応じて大きく異なります。
シミュレーション シナリオに関しては、次の順序を設定しました。
• 最初の 1.5 秒間、ノズルに体積流量境界条件を使用して、ウエハの上面の中央にフォトレジストを堆積しました。
• フォトレジストが堆積された後、回転壁境界条件を使用して、2 秒の時点で 0 rpm から 5 秒で 3000 rpm まで上昇し、その後一定のままにウエハを回転させました。
解析結果
アニメーションを見ると、設定した通りに最初の 1.5 秒間にフォトレジストたまりが基板上に堆積されます。
次に、基板が回転し始めて上面全体が覆われるまで、遠心力の影響でフォトレジストたまりが外側に広がります。
ウエハ表面とフォトレジストの体積分率 0.5 の等値面プロットの間の距離を測定することで、フォトレジスト膜の厚さを評価することもできます。
※非常に薄い膜厚を測定するためには、ウエハ表面に非常に細かいメッシュが必要です。
まとめ
今回のコラムでは、半導体製造業界におけるシリコンウエハのスピンコーティング段階でフォトレジスト幕の厚さを評価するために、シミュレーションを実施して、いくつかの3DEXPERIENCE Works SimulationのFluid Dynamics Engineerロールの機能の使用についてご案内しました。
[From Jason Matthews KOK SHUN]
使用ソフトウェア(3DEXPERIENCE Works Simulation)
・製品ページ Fluid Dynamics Engineer ロール
https://www.sbd.jp/products/kozo/3dexperience_works_simulation.html
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