粉体を扱う上で、流体の影響は無視できないプロセスも多いと思います。空気での搬送や金型への充填、最近では混合も流体の影響があることが示唆されています。(*)。
粉体のシミュレーションにおいて、もちろん”粉”の挙動は扱えますが、粉と流体が合わさったような体系の挙動はどうでしょうか。
そこで今回は、粉と流体が合わさった"固気混相流"をどのようにシミュレーションで扱っているかについて解説していきます!
COLUMN
技術コラム
【粉体】Vol23. DEMを用いた粉のシミュレーション:粉体と流体の連成
流体解析
流体解析の手法は様々な方法があります。大きな分類についてはこちらのページをご覧ください。(https://www.sbd.jp/column/powder_vol21_discretization_space.html)
分類としては格子ベース・粒子ベースの方法があるのですが、より一般的に用いられている格子ベースの流体解析手法について簡単にまとめます。格子ベースの方法は、計算対象とする領域を小さなセルで区切り、各セルで流体の流入出や力のやり取りから計算を行っています。例として川の流れを観測するとき、岸辺に立って(移動しない状態で)観測するようなイメージです。
粉体―流体連成
続いて、流体のみではなく粉体も併せて解析する、連成解析についてみていきましょう。連成解析の手法としては、流体解析で格子ベース・粒子ベースのどちらが用いられているかにより異なります。言い換えると、流体解析の手法として使われている方法に連成要素を付け加えるイメージです。
格子ベースの方法で見ていきましょう。計算対象とする領域を小さなセルで区切り、各セルで流体の流入出や力のやり取りから計算を行っています。この時、各セルでの空隙率や、粒子―流体間の相対速度などの要素から流体から粉体への力・反力として粉体から流体へかかる力が計算されています。
このような物理モデルにより、粉体層の多い領域・少ない領域での流体の異なった振る舞いを表現することができます。
実際の例を下記の動画に示します。こちらの動画ではフィルターに粉体が詰まる様子を模擬しているのですが、粉体が多い(詰まっている)領域を避けて流体が流れている様子が見えるかと思います。
この他にも、流動層の体系や液体中での撹拌など、様々なプロセスで粉体+流体の挙動が必要となります。
さいごに
今回は粉体―流体の混相流体系での計算方法について解説しました。粉体挙動と流体挙動は切っても切れない関係にあると思います。混相流の体系になることで複雑ですが興味深い・機能性に優れるプロセスとなるかと思います。
[From S. Kato]
参考資料
(*) Q. Shi, M. Sakai, “Numerical study on effect of airflow on powder mixing in a container blender,” Phys. Fluids, 35 (2023) 013329.
関連製品
粉体・流体シミュレーションソフトウェア iGRAF(アイグラフ)
https://www.sbd.jp/products/powder/igraf.html
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