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【粉体】Vol21. DEMを用いた粉のシミュレーション:離散化 空間編
粉体シミュレーションにおける連続値の取り扱い
粉体シミュレーションを行う上で、データをコンピュータで扱える形にする必要があります。現実世界では連続的な値だとしても、不連続の値、飛び飛びの値に変形することになります。この操作を【離散化】と言いますが、基礎的な部分についてはこちらの記事(https://www.sbd.jp/column/powder_vol20_discretization_basic.html)をご覧ください。
中でも、シミュレーションで空間を離散化する方法について様々な手法が検討されています。
そこで今回は、離散化の中でも”空間”に着目した解説を行っていきます!
モノの流れの計算手法
シミュレーションで対象とする物体や現象により多くの計算手法が提案されていますが、現在多く用いられている手法を大別すると、格子ベースの方法と粒子ベースの方法になります。
・格子ベースの方法
計算領域全体を小さな領域に区切り、各領域に対して計算していく手法となります。
流体を例にとると、空間全体を格子状に区切り各小領域で流体の流入出や力のやり取りを計算するものになります。
・粒子ベースの方法
計算領域に含まれる対象とするモノを粒子状に区切り、各粒子に対して計算していく方法となります。
こちらも流体を例にとると、流体自体を粒状に区切っていき、それぞれの粒子がどういった力を受けて、どの方向に動くかを計算していくものになります。
これら2つの手法は“川を流れる船の観測”を例にとって比較されることが多いです。
格子ベースの方法は川岸に立って固定地点から船の動きを観測、粒子ベースの方法は船に乗り込んだ状態で自身が動きながら観測されるようなイメージです。
格子・粒子ベースの手法の使い分け
撹拌のような液面の挙動を詳細に確認する必要があるプロセスについては粒子ベースの方法が適しています。
一方で、配管内流れのような単一流体で満たされているようなプロセスについては格子ベースの方法が適しています。
この差は計算手法に起因するものになりますので、検討したい現象に合わせた手法を選択できることがベストです。
さいごに
今回は空間に対する離散化について解説しました。大きく分けると格子ベースの方法と粒子ベースの方法に分けることができ、それぞれの手法で得意とする現象が異なるというものでした。
次回は離散化でよく取り上げられるもう1トピック、時間に関する離散化を解説したいと思います。次回もお楽しみに!
[From S. Kato]
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