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【粉体】Vol20. DEMを用いた粉のシミュレーション:離散化 基礎編
粉体シミュレーションにおける連続値の取り扱い
シミュレーションを行う上では、現象を記述した方程式を”コンピュータが取り扱える形とする”ことが重要となります。コンピュータが取り扱える形とは”不連続な値”であり、連続的な値は取り扱うことができません。現実の世界では”空間”や”時間”は連続的なものになります。コンピュータシミュレーションにおいて、時間や空間のような連続量を直接取り扱うことが困難なため、細かく分割した状態で処理していくことになります。
このような連続量を離散的な値に分割する操作を”離散化”と呼びますが、今回は離散化の基本について解説していきます!
離散化とは?
冒頭でも触れましたが、連続的な値を不連続な値に分割することを【離散化(discretization)】と言います。コンピュータで値を取り扱う場合、離散的な値でなければ取り扱うことができないため、シミュレーションを行う上では必要になる操作となります。
離散化の例 動画
身近な例を用いて、より具体的に離散化を考えていきましょう。よく身近な離散化の例として取り上げられる、 “動画” を例にとって離散化イメージを解説していこうと思います。
・時間
普段見ている動画はなめらかに動いているように見えますが、実際は静止している画像が短い時間間隔で切り替えられることにより動いているように見えています。要するに、パラパラ漫画をコンピュータ上で行っているということになります。
粉体のコンピュータシミュレーションとしては、粒子の位置や速度を各時刻において計算・マッピングし、その画像を高速に切り替えることにより動画として出力することができます。
・空間
1枚の画像は、細かく見ていくと色がついた領域の集合体であることが分かります。カメラやテレビ等で用いられる画素、ピクセルのイメージです。
シミュレーションにおいても、位置や速度を各領域において計算しその集合体としてマッピングすることにより、シミュレーション対象全体でどのような挙動となっているかを確認することができます。具体的には空間グリッドとしての分割を行ったり、粒子のような見た目での分割を行ったりしています。
さいごに
今回はコンピュータシミュレーションで必要となる離散化について取り上げました。コンピュータでデータを取り扱う際には不連続な値、離散化した値で取り扱うことになります。身近な離散化の例として動画を取り上げ、時間や空間についての離散化イメージをお伝えしました。ふんわりとですがイメージを持ってもらえたでしょうか。
次回は離散化の例として示した”空間についての離散化”をさらに詳しく解説します。次回もお楽しみに!
[From S. Kato]
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