以前、技術コラムのなかで構造最適化の手法を紹介いたしました。
参考:「解析なんでも相談室 vol.7」 ~構造最適化とは?設計には形状最適化が適している?~
そこで書かれている構造最適化手法がどのように日頃の設計業務の中に活用できるのか、簡単なワークをもとに考えていきたいと思います。
構造最適化については、「改めて機能のことはわかっても、いまいち、活用する方法が分からない」と思われることが多いかと思います。
では実際にどのようなメリットがあるのか、今回は簡易的なモデルの強度解析を例に考えていきたいと思います。
以下のような片持ち梁の形状モデルを対象として考えていきます。
COLUMN
技術コラム
【構造】Vol.4 構造最適化は設計業務でどのように役に立つの?
この形状に対して、拘束と荷重を付与するとミーゼス応力は3MPa、合成変位は1.77㎜となりました。今回は、このモデルをできる限り軽量化する検討を構造解析を基に行ってみます。軽量化する形状の制約として「ミーゼス応力10MPa以内、最大合成変位3㎜以内」を満たす形状を探しだすことにします。
この問題を構造解析の繰り返しで解決しようとすると、「モデリング⇒解析」をひたすらに繰り返すトライ&エラーによる積み重ねで自分たちの中でのベストアンサーを探していくプロセスをたどります。アプローチの仕方、検討の進め方は人それぞれで特徴があるでしょうが、基本的にはたくさんのモデル作成と解析を行うことになるのではないでしょうか。
出てきた結果を基に次のアイデアを考えては、モデルを作って解析し・・・、この繰り返しを実際に行ってみるとわかるのですが、以下のようなことを感じると思います。
・簡単なモデルでも「再モデリング&再解析」には時間がかかる
・今の形状からあとどれだけ改善代があるのかわからない
実際の業務では、より複雑な形状を扱うことが多いと思います。その場合、どこを変更すると改善が見込めるのか、あたり付けをすることはより難しくなり、このプロセスは困難を極めるでしょう。机上検討だけでなく、実物での試作品評価などもあり、机上検討の工程は可能な限り短縮したいです。
それでは、冒頭に挙げていた構造最適化を用いるとこのプロセスはどう変わってくるでしょうか。今回はHiramekiWorksによるトポロジー最適化により、軽量化を目的とした形状を導出していきます。概要と結果は以下の通りです。
トポロジー最適化により導出された形状の変位を確認すると、2.18mmとなりました。
この形状の特徴(穴の大きさ、穴の位置など)をもとに、もともとの形状を形状変更し直して再度解析をしていきます。形状を修正し、再解析をした結果は以下の通りです。
最適化結果で導出された形状の特徴を活かして、モデリングすることで今回は43%の軽量化をする形状を導くことができました。
まとめ
モデリング⇒解析の繰り返しによる、積み上げ式の設計検討ではなく、構造最適化結果(計算的な理想形状)を基にした形状検討を行うことにより、設計業務において以下のような効果が期待されます。
・設計(開発)工数の削減
・設計実績にとらわれない形状の導出
特に構想設計は経験値に依存するところが多いと思いますが、経験値が少ない設計者も自信をもって設計業務に取り組む助けとなるのではないかと思います。ぜひ、業務の中でうまく活用してみてください。
[From K. Mikuni]
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