前回は接触を用いたアセンブリモデルの解析方法と結果に触れました。
離れているものが触れる、部品間でのすべりなどの接触の現象については、解析ソフトによっては線形解析で設定できてしまうのですが、正確には非線形解析に分類される現象になります。非線形については、過去のコラムでまとめられていますので、こちらを参照してください。
この中でも接触がかかわる現象としては、接触により発生する圧力や摩擦といったものがあげられます。このような部品間の境界の状態により、荷重と変位(変形)の関係性が崩れるものを境界非線形といいます。線形解析の領域では、荷重と変位は常に線形(比例)関係にある微小変形が生じる現象であることを前提に解析しているため、ここで述べている境界非線形を織り込むことができません。
境界非線形を示す一例を示したいと思います。
解析モデルは以下の図のように、部品がつぶれながら隣り合う部品と接触するケースを想定しています。
結果は以下の通りになります。中央の部品が想定通り変位してつぶれ、初期状態では接触していない箇所が隣り合う部品と接触するようになっていきます。
非線形解析では、ステップごとの解析結果を出力可能なため、途中過程で接触することで生じる、接触面での応力等を解析することが可能です。
非線形解析では、このように境界における非線形現象、境界非線形を考慮した解析が可能です。汎用の線形解析を行うソフトでは、境界非線形の設定はできないことが多いです。
今回のような現象を解析したいという場合には、非線形での解析が必要になるので注意が必要です。ぜひ、参考にしてみてください。
[From K.Mikuni]