V(Verification)&V(Validation)の概念はいろいろなところで紹介されています。Verificationは、数理モデルの定義と計算が正しくされているかの評価で、簡単に言えば数理式の設定と演算にバグ等がないかどうかです。
自前プログラムであれば、この部分に腐心するわけですが、商用パッケージではこの部分は、開発元及びベンダーに任せる(ある意味信頼する)しかありません。しかし、正しいプログラムを使用したからと言って、正しい設計や評価ができるとは限りません。選択した数理モデルが評価したい現象を表現できているのか、設定した数理モデルや条件が検討目的に合致しているのかを検証しなければなりません。この部分がValidationです。逆にこの部分は、開発元などは保証できません。設計者が判断してく必要があります。
メッシュの細かさの甘さや設定条件の違いが原因で誤った判断をして、事故が起きてしまった失敗事例などが散見されます。これは、どの部分に問題があったのでしょう。使用したプログラムは著名なコードで、使用した機能でのバグはありませんので、Validationの問題ということになります。しかし、離散化モデルが物理現象を正しく計算できていないという観点でVerificationの問題ということも言えます。その分け方はいろいろな意見があると思いますが、いずれにしても、設計目的に応じて設計者が検証しなければ分からない問題です。
そのようなことを防ぐ意味で、Validationでは実験と定量比較することも求めています。しかし、実験においてもひずみゲージを貼る場所が違ったり、校正が甘かったり、サンプリング間隔が粗くピークを見逃してしまったりと、物理現象を正しく測定できているかは難しい問題です。違うもの同士で比較して合ったとしても、それは検証になりません。
そもそも、真理に近いようなCAEや計測がそれぞれできて合うはずであるという期待は捨てるべきです。現象は複雑でよく分からないが実験を多くできるものは実験ベースで経験知を積み、合わない理由を検証する必要があります。
実験ができない(できても簡易的な実験しかできない)ものは、理論やCAEベースで設計しますが、検証する実験値がありませんので、類似ケースを多数検証しそこから類推していくことになります。類推するためには、物理現象及びCAE計算法の原理原則を理解した上での総合的な推察力や判断が必要です。
[From N.Sahashi]
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