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技術コラム

【構造】新人手記① 「最適化と金属3Dプリンタとは」

2024年09月04日

今回から全3回にわたり、HiramekiWorksで扱う最適化と、金属3Dプリンタの相性について、文系初心者が所感で解説したいと思います。第1回では、まず金属3Dプリンタ・最適化の双方をご紹介し、どうマッチングするのか検討したいと思います。

金属3Dプリンタ

AM(アディティブ・マニュファクチュアリング)技術や3Dプリンタへの関心は、製造業だけでなく様々な業界で高まっています。中でも注目され始めているのが、金属3Dプリンタです。金属3Dプリンタとは、金属を材料に造形する3Dプリンタのことで、特徴としては以下のものがあります。


1. 素材の自由度
金属3Dプリンタは、多様な金属を素材として採用することができます。例としては、アルミニウムやステンレス、チタン、そして合金をも取り扱うことができ、既存の樹脂3Dプリンタに比べると、より広範囲な製品の製造が可能です。金属特性を生かせば、造形品を、最終製品や高精度な試作品、治具や金型などに用いることが出来ます。

2. 造形の自由度
樹脂3Dプリンタと同様、金属3Dプリンタも従来の工法に囚われない、自由な設計を可能にします。具体的には、これまでの金属材料を使った工法では叶わなかった、新しい形をもたらします。その新しい形というのが、既存設計では実現の難しかった、最適化形状など複雑な形状です。

3. 方式の自由度
方式とは、3Dプリンタで造形する際の方法のことです。どう積層するのか、積層に用いる熱源は何かなど、造形方式にも、自由な幅が存在します。その理由は、各方式にメリットとデメリットが存在し、3Dプリンタで何を作りたいかによって、利用すべき方式が異なるからです。詳細については、筆者がまとめた以下の表をご参考にしていただければと思います。


このように、金属3Dプリンタは、製造業界に新たな道を切り拓きます。例えば、試作開発をスピーディーにすることで製造コストを削減します。また、高機能で複雑な形状が可能になれば、生産コストの低下や付加価値の向上も見込むことが出来ます。
ではここで、先ほど「2.造形の自由度」で触れた、「新しい形」についてご説明します。


最適化形状

設計における最適化には種類がありますが、今回は主にHiramekiWorksの扱う「トポロジー最適化」「形状最適化」を扱います。それぞれの説明については、別のコラムでも紹介しているため、今回は簡単に、文系初心者の筆者の所感でまとめます。(参考:【構造】Vol.4 構造最適化は設計業務でどのように役に立つの?)


1. トポロジー最適化とは
元のモデルに対し、かかる力や拘束条件を踏まえて、「なくてもいい」部分を削り、穴を開けるイメージです。椅子で例を挙げてみると、「座っている時、座面のある部分には力がかかっていない=なくても問題ないから、穴を開けよう」という感じです。最適化とは、基本の骨格がわかれば、他を削っても問題ないことを示している印象です。元のモデルと比べて、「なくてもいい」部分が削れるため、結果的に軽量化・生産コスト低下を実現できます。

2. 形状最適化とは
 元のモデルに対し、かかる力や拘束条件を踏まえて、より軽く・または堅くするために形状に「メリハリをつける」イメージです。トポロジー最適化のように穴を開けることはしませんが、必要な部分を厚くする代わりにそうではない部分を薄くするというような変化をもたらします。トポロジー最適化に比べ、実際に設計することに向いており、実用的な面では形状最適化に軍配が上がります。


HiramekiWorksとは、この2つの最適化を実現するソフトです。本当にざっくりというと、「ものの最適な形状を考えて、トポロジー最適化では大幅な軽量化を、形状最適化では軽量化+剛性化を実現し、既存設計を改善させる」ソフトです(詳細を知りたい方は、ほかのコラムも参照にするか、資料請求をしていただければ幸いです)。

文系初心者の筆者でも、チュートリアルをクリアすればそこそこ使い勝手がわかるほどの操作性であり、また仕組みもシンプルなソフトです。
ただ、解析結果はそうとは言えません。形状最適化もそうですが、特にトポロジー最適化の結果として出る形状は、既存の設計方法では実現しにくい形状が多いです。軽量化出来るという結果を示すことはできますが、「じゃあどう作るの?」は、HiramekiWorksでは示すことが出来ないのです。
そこで、最初に述べた金属3Dプリンタが登場します。HiramekiWorksと金属3Dプリンタは、共に使うことで、互いに良い効果をもたらすことが可能です。金属3Dプリンタにはいくつかの方式がありますが、その中でもHiramekiWorksと相性がいいものは、互いに長所を伸ばしたり、欠点を補い合うことが出来るからです。

続く第2回では、実際にどうHiramekiWorksと金属3Dプリンタがマッチングするのか、KKEがどんなソリューションを提供できるのか、考えていきたいと思います。


[From A.Kawaguchi, K.Tsukidashi]


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