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【流体】流れの現象現実事例 Vol.2 マッハダイヤモンド

2024年06月18日

今回の流体コラムでは、マッハ ダイヤモンドと呼ばれる流れ現象をご紹介します。



複雑な圧縮性流れ現象であり、ジェット エンジンやロケットなどの超音速ノズルの出口で発生することが最もよく知られています。 しかし、真空エジェクタや高圧ガスガバナなどの産業機器でも発生することがあります。

「マッハ ダイヤモンド」という名前は、この現象の見た目に由来します。ジェットエンジンやロケットでは、排気流の中に菱形の明るい部分の繰り返しパターンとして見えます。

ノズルから出る超音速流が過膨張する、つまり排気流圧が周囲気圧より低くなるときにマッハダイヤモンドが発生します。

  1. 1. 周囲空気の高圧により排気流が圧縮され、圧縮衝撃波が発生します。
  2.  ※ 排気が衝撃波を通過すると、温度が急速に上昇します。 アフターバーナジェット エンジンでは、これにより未燃焼ガスが点火し、独特の火炎パターンが形成されます。
  3. 2. 圧縮された排気流の圧力が周囲の気圧より高くなります。プラントル・マイヤー膨張ファンと呼ばれる現象により、再び膨張します。
  4. 3. 膨張後、排気圧力は再び周囲気圧より低くなります。 その後、ステップ 1 と同様に再度圧縮されます。


上記のサイクルにより、ダイヤモンド型の圧縮衝撃波とプラントル・マイヤー膨張ファンの繰り返しパターンが生成されます。
航空宇宙推進において、マッハダイヤモンドはノズル出口での過膨張による効率低下の代名詞です。ロケットは通常、周囲の気圧が非常に低い高度で最適な効率で作動するように設計されています。その結果、発射時など周囲気圧が高い低高度でロケットが作動しているとき、ノズルは過膨張となります。これが、ロケット発射台時にマッハダイヤモンドが見られる理由です。

今回の流体コラムでは、SOLIDWORKS Flow Simulationの高マッハ数流れオプションを使用して、ロケットに見られるような、収束-発散ノズルの出口でのマッハダイヤモンドの形成をシミュレートします。

解析条件

結果

ノズル出口付近の圧力分布図から、排気流の圧力が周囲の気圧よりも低い。流れが過膨張していることとなります。 その状況ではマッハダイヤモンドが発生するはずです。



全体の温度分布図を見ると、ショック ダイヤモンドの存在がはっきりと確認できます。



ダイヤモンド型の領域の温度は非常に高く、ジェット エンジンやロケットの場合、未燃焼ガスに点火し、目に見えるダイヤモンド型の炎が発生します。




まとめ

圧縮性流れ現象は、色々な装置内で意外な流れの挙動を引き起こす可能性があります。 たとえば、非圧縮性の流れでは、ベルヌーイの定理から、ノズルが広がると流速は減少するはずですが、今回は圧縮性の流れの影響により流速が増加します。 それで、ソルバーが非圧縮性および圧縮性流れの挙動を正確に予測することが重要です。

今回の解析により、SOLIDWORKS Flow Simulation がマッハ ダイヤモンドなどの複雑な圧縮性流れ現象をシミュレーションできることがわかりました。

[From Jason Matthews KOK SHUN]

流入(圧力室)条件 40気圧、3300°C
周囲条件 1気圧、20°C
メッシュ数 804,756

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