今回の流体コラムでは、重大事故の発生に繋がるキャビテーションについてご説明します。
キャビテーション(cavitation)とは、流体内の圧力差により短期間に気泡(cavity)の発生と消滅が起きる現象のことをいいます。
流体の圧力を下げていくと中に含まれる気相成分が小気泡となって現れ、さらに飽和蒸気圧以下になると液体が蒸発し、気泡の発生と成長が盛んになります。
キャビテーションは振動や騒音の原因となりますが、それだけでなくキャビテーションでできた気泡が圧力上昇によって消滅するとき、非常に高い圧力が発生します。
その際に機器などの壁面に損傷を与える壊食が起こる場合があります。
このように、キャビテーションは製品の能力を落とすだけでなく、重大な事故にも繋がる現象です。
一方で、キャビテーションを意図的に発生させることで機能向上を実現しているような製品も存在します。
・殺菌装置
・シャワーヘッド
・超音波を使った洗浄機
ほかにも身近でキャビテーションが発生している例があります。
・ホースから水を撒くとき
庭や道先に水を撒くとき、ホースを使うことが多いかと思います。
遠くまで水を飛ばしたいときに、ホースの出口を狭めることで水が勢いよく飛び出しますが、これもキャビテーションの一種です。
・指の関節をポキポキしたとき
そのほかに、キャビテーションが発生する例としましては
・オリフィスなど流路が狭くなる箇所がある。
・プロペラの回転速度が上がりすぎている。
・流体の温度が高くなり、飽和蒸気圧が高くなっている。
などが挙げられます。
COLUMN
技術コラム
【流体】流れの現象調べ隊 vol.1 ~キャビテーション編~
キャビテーションの発生は熱流体解析で予測することができます。
下記は流速分布、音響パワーレベル、蒸気の体積分率の解析結果です。
出口側の管内で流体による騒音が発生することがわかります。
また、蒸気の体積分率からキャビテーションの発生位置を確認することができます。
この解析の詳細は、下記のページでご紹介しています!
【解析事例】キャビテーションの発生予測
流速分布(m/s)
音響パワーレベルの分布(dB)
蒸気の体積分率
まとめ
今回の流体コラムではキャビテーションについてご説明しました。
キャビテーションの発生は製品の能力を落とすだけでなく、重大な事故にも繋がる現象です。
流体解析を活用し、キャビテーションの発生を予測することで、重大事故の発生防止もしくは機能向上を実現することができます。
[From K.Tsukidashi]
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