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技術コラム

【粒子法】vol.36 研磨装置の塗布解析

2025年03月04日

はじめに

ウェハ、金属、セラミック等の研磨工程は品質向上や精度管理において極めて重要な役割を担っています。特に、高精度な部品加工を行うためには、研磨液の塗布状況やその挙動を詳細に理解し、最適化することが不可欠です。本コラムでは、研磨装置のノズル位置違いによる研磨液の塗布状況を評価します。

目的

流体の挙動解析
研磨装置内における研磨盤と対象物の隙間への研磨液の付着挙動を評価します。


研磨効率の向上
研磨液が適切に供給され、均等に拡散されることが重要です。流体解析により、流れが不均一になっている部分や、液の滞留が発生しやすい場所を特定し、これを改善することで、研磨効率や品質を向上させることができます。

解析対象

図-1 斜視図


図-2 断面図

解析条件

表-1 解析条件

解析ケース

今回は、研磨ノズルの位置の違いによる研磨液解析を行います。研磨盤の外周付近をA、回転中心付近をBとします。


図-3 ノズル位置

結果アニメーション

左がノズル位置A、右がノズル位置Bを示します。





結果評価

濡れ時間
対象物が研磨液と接触する時間を評価するため、5つの対象物に1.5mmメッシュを作成し、濡れ時間をマッピングしました。左がノズル位置A、右がノズル位置Bを示します。




10秒後における、対象物メッシュ点の濡れ時間の統計量を示します。ノズル位置Bの方が、濡れ時間の最大、最小、平均が大きいことから短時間で対象物の全体に付着していることが示されました。また、標準偏差ノズル位置Bの方が小さいため均一に塗布できていることが示されました。


表-2 濡れ時間の統計量


研磨盤上の液体量


図-4 研磨盤上の液体量の時間変化


研磨盤上に残っている研磨液の体積をプロットしました。研磨液の流量はノズル位置A,Bで同じため、2秒までは同じ傾きとなりました。2秒以降は、遠心力によって研磨盤の外に排水され、BよりもAの方がより多くの研磨液が研磨盤に残っていることが示されました。

まとめ

今回の流体解析によって、研磨装置における研磨液の塗布状況や濡れ広がりを可視化し、ノズル位置における濡れ状況を表現することができました。解析結果から、ノズル位置Bの方が、均一に濡れ広げることができ、最も効果的であることが示されました。このような詳細な解析を通じて、製造業における研磨工程の最適化が可能となり、品質向上や生産効率の改善に大きく寄与することができます。


[From H. Yazawa]

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