今回のコラムでは、Particleworks Version 8.1.0で新たに出力可能となった物理量である、濡れ時間についてご紹介します。この物理量はポスト処理機能の一つである物理量マッピングで出力ができます。
(※物理量マッピングとは、計算点である粒子の物理量を形状モデル(CAD形状)にマッピングする機能になります。)
今回の解析では洗浄を対象に濡れ時間を評価しましたが、他の適用対象として潤滑・冷却が考えられます。潤滑の場合、濡れ時間が短い位置は潤滑不良考えられるため、運転条件の改善等に有効になると考えられます。液体を使用した強制冷却の場合、発熱源である固体と冷却材である液体が接触していることが重要となります。そのような対象の解析では、計算負荷の高い熱計算が必要ですが、濡れ時間を評価することで、簡易的に冷却性能の高い位置、低い位置を予測ができると考えられます。
また、関連してParticleworks Version 8.1.0では濡れ時間以外に膜厚という物理量も追加されています。膜厚では形状モデル(CAD形状)の任意の位置に対して触れている粒子の厚みを出力できます。これらの物理量の追加により、液体-固体の接触状態が重要となる対象へのParticleworks Version 8.1.0の活用が広がると考えています。
おわりに
今回のコラムでは、Particleworks Version 8.1.0で出力可能となった濡れ時間をご紹介しました。これまで確認できなかった固体の濡れ状態を可視化できる便利な機能となります。洗浄・潤滑・冷却等の解析に活用が期待できます。