構造計画研究所 構造計画研究所 SBDプロダクツサービス部
SBDエンジニアリング部

お気軽にお問い
合わせください

構造計画研究所 構造計画研究所

お問い合わせ

COLUMN

技術コラム

【粒子法】vol.34 Particleworksを使ったフローはんだ付け装置の運転条件の検討

2024年12月17日

はじめに

最近は、流体解析ソフトウェアParticleworksをはんだ不良の原因究明や、高効率なはんだ実装条件を決めるために使えないか、という目的のお問い合わせが増加しております。実際、はんだ付け工程のシミュレーションにParticleworksをご利用いただいている事例も少なくありません。
今年7月に、弊社が開催したセミナー「粒子法流体・粉体シミュレーション最新動向セミナー」でも、はんだ不良現象の可視化に用いた事例をユーザー様にご紹介いただきました。
このように、はんだを対象としたParticleworks活用の機会が増加しております。そこで、実際にどんな解析が可能なのか、弊社内で実施した簡易的なフローはんだのシミュレーション事例をご紹介いたします。



解析内容

・概要
フローはんだ実装は、プリヒート、1次噴流、2次噴流の3段階で行われます。
この解析事例では簡単のため1回の噴流のみを対象とし、基板が十分に加熱されている状態を考えます。つまり、熱の解析は対象とせず、温度依存の粘性変化は考慮しません。 基板を早く大量に製造するには、はんだ付けにかかる時間を短縮することも重要な要素です。そこで、今回の事例で検討事項とするのは、基板が噴流上を移動する速さ(以降 コンベア速さ)とします。コンベア速さごとのフィレット形状を比較し、より早くきれいなフィレット形成ができる条件を探します。


フローはんだ概略図


・解析モデル


・解析条件





・実施ケース
コンベア速さは1.0[m/min]、9.0[m/min]、18.0[m/min]の3ケースの解析を実施しました。


解析結果

コンベア速さ18.0[m/min]のケースは、他の2条件と比較して明らかに付着はんだ量が多く、凸形状になっていることが確認できました。それぞれのケースのスルーホール・リードへ付着したはんだ量を比較してみると、コンベア速さが早くになるごとに付着はんだ量が増加しています。はんだのフィレット形状は凹形状が望ましいとされており、18.0[m/min]のケースでは理想的なフィレット形状の形成は困難だと想定されます。
実際の基盤を解析対象とした場合、より複雑なパーツ形状となりますので、18.0[m/min]の速さでは、はんだブリッジなどの不良発生の恐れもあります。






おわりに

フローはんだ付け装置の高スループットな運転条件検討のために、粒子法流体シミュレーションが活用可能か検証いたしました。コンベア速さの違いにより、スルーホールへのはんだ付着量が異なることが確認できました。
本来、フローはんだ実装においては熱・噴流高さ・フラックス量など、考慮すべきパラメータが多くあります。シミュレーションを用いて各パラメータが結果にどのような影響を与えるのか、検証に活用してみてはいかがでしょうか。

[From Y.Mizuno]

第1・第3木曜日配信!
SBDメールマガジンより、
最新の技術コラムをお届けします。

\

Analysis Case
解析事例

Analysis Case
解析事例

キーワード

もっと詳しい条件で検索する 

全体カテゴリ

製品カテゴリ

業種・⽤途

リセット

Topics
トピックス

イベント・セミナー

シミュレーションに関するイベント・セミナー情報をお届けいたします。

もっと見る

トレーニング

SBD製品各種の操作トレーニングを開催しております。

もっと見る

技術コラム

シミュレーションに関する基礎知識や、製品の技術的なノウハウが満載の技術コラムをお届けいたします。

もっと見る

Topics
トピックス

イベント・セミナー

シミュレーションに関するイベント・セミナー情報をお届けいたします。

もっと見る

トレーニング

SBD製品各種の操作トレーニングを開催しております。

もっと見る

技術コラム

シミュレーションに関する基礎知識や、製品の技術的なノウハウが満載の技術コラムをお届けいたします。

もっと見る