はじめに
今回のコラムでは飛行機や宇宙船、船の着水をテーマとしました。特に宇宙カプセルは地球に戻るとき、水面に安全に着水しなければなりません。また、航空機が緊急に水面に着水することもありますが、そのときの衝撃を減らすような設計が求められます。今回は、着水現象について解析と理論式で比較を行いシミュレーションの有用性を確認しました。
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今回のコラムでは飛行機や宇宙船、船の着水をテーマとしました。特に宇宙カプセルは地球に戻るとき、水面に安全に着水しなければなりません。また、航空機が緊急に水面に着水することもありますが、そのときの衝撃を減らすような設計が求められます。今回は、着水現象について解析と理論式で比較を行いシミュレーションの有用性を確認しました。
着水時の最大加速度が得られることで、カプセルの着水時の衝撃力を算出が可能です。
最大加速度の理論式は、水面の盛り上がりを考慮したsemi-Wagner理論[1][2]を用いることとしました。
着水時の直前から計算を行い、カプセルには3パターンの初速度zを与え解析を行いました。カプセルは変形しない剛体、流体領域はX=1.2m、Y=1.2m、Z=0.51mとしました。
左から、初速度zが1.0[m/s]、1.8[m/s] 、2.6[m/s]の結果アニメーションを示します。
粒子のカラーコンターを速度表示としています。
カプセルの初速度zを横軸、着水時の最大加速度zを縦軸とし、semi-Wagnerの理論曲線を青線で示しました。解析時間0.1秒間における、カプセルの最大加速度zを赤点でプロットしました。
飛行機や宇宙船、船の着水をテーマにシミュレーションを行いました。初速度の異なるカプセルが着水する際の最大加速度が理論値と解析結果が一致することを確認しました。これにより、着水時の最大衝撃力を評価が可能となり、衝撃力が小さくなるような設計検討がシミュレーションによって可能となります。
[From H.Yazawa]
・Particleworks (パーティクルワークス)製品ページ
https://www.sbd.jp/products/flow/particleworks.html
[1] John T. Wang, Karen H. Lyle : Simulating Space Capsule Water Landing with Explicit Finite Element Method, AIAA/ASME/ASCE/AHS/ASC Structures, Structural Dynamics and Materials Conference, 2007
[2] 杉本 隆 : 緩降下するカプセルの着水衝撃シミュレーション, MSS技報, Vol.24, 2013
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