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技術コラム

【粒子法】vol.31 粒子法解析の半導体・ウェハ洗浄工程検討への活用

2024年09月04日

はじめに

近年の生成AI技術への関心の高まりにより、半導体部品の市場は大きく成長しています。そんな半導体の製造において非常に重要なプロセスの一つが「洗浄」です。半導体製造工程のおよそ3割が液体を用いた洗浄工程だと言われています。

このウェハ洗浄の方式には、バッチ式と枚葉式という2種があるのですが、洗浄力への要求が厳しいことから、現在はウェハ一枚一枚を洗浄する枚葉式が主流となっているようです。

しかし、この枚葉式は時間当たりの処理能力がバッチ式に劣るため、生産性向上のために、様々な研究がおこなわれています。そこで、生産性向上に資する洗浄条件の検討に、粒子法流体シミュレーションを活用することができるのか、検証を行いました。


解析事例
①解析負荷と挙動の違いを比較するため、洗浄水の流量、ウェハの回転条件を統一して、粒子の解像度(粒子サイズ)を変更した3ケースの解析を実施しました。また、解析の挙動と実験との比較を行いました。
②既往研究でウェハ全面を流水で覆うことができるとされる条件で解析を行い、実験と解析の挙動比較を行いました。


解析モデル(①, ②共通)



解析事例①

解析条件
ウェハ表面は疎水性膜を想定し、接触角を60°としています。




実施ケース
同一の回転・流入条件で、粒子の解像度(粒子サイズ)を変更した解析結果を実験結果の表面波形状と定性的に比較します。




解析結果
円盤端に向かって、水が枝分かれしたような表面波形状が観察できます。
下記の画像は半田ら(2018)により実施された実験結果で、この結果と比較すると、No.3(粒子径0.1mm)は特に実験と近い挙動が得られています。
粒子の解像度(粒子サイズ)の異なるケースごとに、表面波の形状に違いがありますが、全体の傾向としては同様であることが確認できました。計算コストも加味すると、「複数ケースで大まかな傾向を把握したい」場合はケースNo.1, 2、「精度よく解析を行いたい」場合にはケースNo.3以上の解像度が必要になると考えられます。
※半田らの実験とは、回転方向が異なります。






解析事例②

解析条件
ウェハ表面は疎水性膜を想定し、接触角を60°としています。




解析結果
0.60sから、0.80s時点の表面波形状と、半田らの実験の表面波形状は類似しており、定性的な一致が確認できました。
※半田らの実験とは、回転方向が異なります。






おわりに

ウェハ洗浄の工程において、粒子法流体シミュレーションを活用可能か検証いたしました。
ウェハ上の表面波形状は実験と近い結果を得ることができ、洗浄工程の挙動の傾向を把握できることが分かりました。
また、シミュレーションでは、流体の速度やせん断速度を算出することも可能であるため、洗浄力を評価する場合に活用できると考えられます。

[From Y.Mizuno]


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