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技術コラム

【粒子法】Vol.24係留状態の浮体揺動

2023年11月24日

今回は、過去のメルマガで好評だった記事から、粒子法+機構解析を用いた「係留状態の浮体揺動」をご紹介します。
係留状態の浮体揺動は、波の高さ、浮体の形状、係留状態などによって、変わります。そこで、今回は、粒子法+機構解析に基づいて係留状態の浮体揺動の解析を行いました。浮体の並進・回転運動、周波数応答、係留にかかる力を調べました。

目的

係留浮体の運動を検証します。
周波数応答を検証します。



解析形状

正面

上面



解析モデル

流体物性値
本解析で用いる物性値は以下のとおりです。

流体物性値





移動定義
板の振動条件





係留の定義
係留をバネで近似します。

・力F=k(x-d)
 バネの長さx
 ※[1]では、非線形項を考慮していますが、本解析では考慮しません。





その他

解析条件(その他)

※浮体の運動は、xz平面に拘束する条件で設定しています。

重力方向

解析結果

粒子表示

位置表示(係留非表示)


考察

以下の運動とその周波数応答を解析します。

・浮体のx,z方向の並進運動
・浮体のy軸周りの回転運動
・バネの力

考察:浮体の並進運動
周波数のピーク
f≃1[s-1]→ω=2π・1≃6[rad/s]

並進(x軸) 並進(z軸)


並進(x軸)、周波数応答 並進(z軸)、周波数応答


考察:浮体の回転運動
周波数のピーク
f≃1[s-1]→ω=2π・1≃6[rad/s]
回転(y軸まわり) 回転(y軸まわり)、周波数応答


考察:バネの力
周波数のピーク
f≃2[s-1]→ω=2π・2≃12[rad/s]
バネ1の力(x軸) バネ2の力(z軸)


バネ1の力、周波数応答 バネ2の力、周波数応答


浮体の運動
・周波数のピーク
 f≃1[s-1]→ω=2π・1≃6[rad/s]

・論文[1]
 ω≃5[rad/s]

・[1]とconsistentな結果になっています。

バネの力
・周波数のピーク
 f≃2[s-1]→ω=2π・2≃12[rad/s]

・論文[1]
 1次モードω≃5, 2次モードω≃10[rad/s]

・周波数のピークが論文[1]での2次モードに対応しています。
 [1]では、バネの非線形項を考慮し、本解析ではバネの非線形項を考慮してないためと考えられます。

結論

・係留浮体の運動を調べました。
・周波数応答を調べました。

結果
・浮体の運動の周波数のピークは、実験とconsistentな結果になっています。
・バネの力の周波数のピークは、実験の2次モードに対応しています。
 ・本解析ではバネの非線形項を考慮してないためと考えられます。

[原文: ひっつきもっつき  転載:M.Kawahara]

参考文献

[1] 笹原 裕太郎、増田 光弘、南 清和、増田 光一、係留浮体の波浪中応答解析に対するMPS 法の適用性に関する研究(第二報)、第128回講演会(2013年5月30日,31日) 日本航海学会講演予稿集 1巻1号
[2] 増田 光弘、笹原 裕太郎、南 清和、増田 光一、係留浮体の波浪中応答解析に対するMPS法適用性に関する研究

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