粒子法流体解析ソフトウェアであるParticleworksを使用して、摩擦撹拌接合(FSW)解析を実施しました。
COLUMN
技術コラム
【粒子法】Vol.19 摩擦撹拌接合(FSW)解析
目的
摩擦撹拌接合を検証します。
以下を検証します。
・温度分布、応力分布
・ツールの接合速度や回転速度の依存性
解析形状
解析モデル
■流体物性値
本解析で用いる物性値は以下のとおりです[3]。
流体物性値
粘性係数は以下です[3]。(Appendix参照)
■移動定義
ツールの並進・回転条件
移動定義
■境界条件
剛体壁
・熱物性(比熱、熱伝導率)は、液体と同じです。
剛体壁物性値
■その他
解析条件(その他)
※Case4-6は、時間刻みが粗く設定しているため、若干精度が落ちています。
重力方向
■計算機環境及び計算時間
以下の計算機を用いて解析を行いました。
・OS : Windows 10 (64bit)
・CPU : Intel Xeon E5-2637 v4 3.50GHz (4 スレッド計算)
・メモリ : 64GB
・GPU : NVIDIA Quadro GP100 (1GPU計算)
※計算負荷を下げる方法
・粒子サイズ、物理時間、解析領域を小さくすると、計算時間が短くなります。
粒子数と計算時間
解析結果
■温度表示
回転速度を大きくすると、温度が上昇します。
Case1 |
Case2 |
Case3 |
接合速度を大きくすると、若干温度が減少します。
Case4 |
Case5 |
Case6 |
■応力テンソル表示
応力
・回転速度を大きくすると、応力が減少します。
・接合速度を大きくすると、応力が上昇します。
・[1]と同様の傾向です。
Case1 |
Case2 |
Case3 |
Case4 |
Case5 |
Case6 |
考察
温度(下図:約42[s]での最大温度)
・回転速度を大きくすると、温度が上昇します。
・接合速度を大きくすると、若干温度が減少します。
・[1]と同様の傾向です。
結論
摩擦撹拌接合を調べました。
以下を調べました。
・温度分布
・ツールの接合速度や回転速度の依存性
結果(温度)
・回転速度を大きくすると、温度が上昇します。
・接合速度を大きくすると、若干温度が減少します。
結果(応力)
・回転速度を大きくすると、応力が減少します。
・接合速度を大きくすると、応力が上昇します。
今後の課題
粒子法を用いて摩擦攪拌接合を解析できることがわかりました。
パラメータ比較
・材料物性
・ツールの移動条件
・回転速度、接合速度
検証する物理量・実験との比較
・温度分布、応力分布
[From M.Kawahara]
使用ソフトウェア(Particleworks)
・ 流体解析ソフトウェア Particleworks (パーティクルワークス)製品ページ
https://www.sbd.jp/products/flow/particleworks.html
参考文献
[1] 家下輝也、生島一樹、宮坂史和、芝原正和、粒子法と有限要素法を用いたFSW力学解析手法の構築、溶接構造シンポジウム2017講演論文集(2017年12月)
[2] 宮坂史和、粒子法による摩擦撹拌接合現象のモデル化
https://www.jstage.jst.go.jp/article/materia/54/9/54_54.444/_pdf/-char/ja
[3] 宮坂史和、粒子法を用いた粘弾性体の塑性流動解析-FSW(摩擦攪拌接合)シミュレーションモデルの開発-
http://www-it.jwes.or.jp/technology/jisedai/2015-09.pdf
[4] 松下 宗生、木谷 靖、池田 倫正、鉄鋼材料への摩擦攪拌接合(FSW)の適用性と接合部特性
http://www.jfe-steel.co.jp/research/giho/034/pdf/034-15.pdf
[5] 藤井英俊、FSW(摩擦攪拌接合)-鉄鋼材料を中心に-
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjws/77/8/77_731/_pdf/-char/ja
[6] 大阪府立産業技術総合研究所、摩擦攪拌接合技術(FSW)
http://tri-osaka.jp/technicalsheet/9001.PDF
[7] 摩擦攪拌接合について、愛産研ニュース 7 月号(2009.7)
http://www.aichi-inst.jp/other/up_docs/no88_03.pdf
[8] A. Timesli, A. Moufki, H. Zahrouni, B. Braikat, H. Lahmam, Numerical model based on SPH method to simulate Friction Stir Welding
https://www.researchgate.net/publication/242338720_Numerical_model_based_on_SPH_method_to_simulate_Friction_Stir_Welding
[9] A. Timesli, A. Moufki, H. Zahrouni, B. Braikat, H. Lahmam, Numerical model based on SPH method to simulate Friction Stir Welding (not English)
https://hal.archives-ouvertes.fr/hal-00592694/document
Appendix
伸長粘度とずり粘度の変換
発熱量
発熱効率
はParticleworksでは「熱伝導のコントロールパラメータ」として設定します。
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