業務の中で、実験と比較した際の計算精度について頻繁にご質問をいただきます。例えば、Simcenter FLOEFDをご利用中のお客様から以下のようなご質問をいただきます。
「電子機器の熱流体解析を行っているが、実験値と比較して計算値の誤差が許容範囲内に収まらない、何が原因でどのような対策を行えば改善するか、教えてほしい。」
回答として、条件設定という観点から「物性値、境界条件、発熱量やメッシュ精度などを確認してください。」といった回答をしていますが、FLOEFDの計算精度について紹介することはそこまで多くはありません(解析対象や状況によっては精度検証が必要になります)。
計算精度を検証するために、FLOEFDには検証例題が用意されております。今回は、ヒートシンクの強制空冷を対象に、実験値と計算値の比較を行った事例を紹介します。
COLUMN
技術コラム
【流体】Simcenter FLOEFDの計算精度検証 ヒートシンクの強制空冷
概要
フィン型ヒートシンクの強制空冷におけるFLOEFDの計算能力を確認します。
風洞実験の結果1)と比較を行います
条件
ヒートシンクの形状を図1に、主な寸法を表 1に示します。
図2に示すように、ヒートシンク直下には電気ヒーターがあり10 W発熱しています。電気ヒーターの下には断熱材があります。風洞はガラスでできており、ヒートシンクのフィンの底が風洞ダクトの底面と同じ高さになるように設置されています。
各部品の材料、熱伝導率を表2に示します。
表3に流れ解析の基本条件を示します。
本事例では、流入の境界条件として空気流入速度の値を変化させ、5ケースのレイノルズ数の条件で解析しました(表4)。
図3に解析に用いたメッシュを示します。流れ場の状態を考慮し、ケース1-4は同じメッシュ、ケース5は比較的細かいメッシュを用いました。
(1)式からヒートシンクの熱抵抗を算出し、実験値と比較しました。
結果
図4に、計算結果と実験値を併せて示します。
いずれのレイノルズ数のケースでも、青で示す計算値は実験値とよく一致しており、誤差は最大でも5%程度となりました。
次回は、本問題の計算精度に及ぼすメッシュ品質の影響を見ていきます。
[From K. Sugahara]
出典
1) Jousson, H., & Palm, B. (2000). Thermal and Hydraulic Behavior of Plate Fin and Strip Fin Heat Sinks Under Varying Bypass Conditions. IEEE Transactions on Components and Packaging Technologies, 23(1), 47-54.
使用ソフトウェア(Simcenter FLOEFD)
・ 3次元CAD統合型 熱流体解析ソフトウェア|Simcenter FLOEFDシリーズ 製品ページ
https://www.sbd.jp/products/flow/floefd.html
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