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技術コラム

【流体】接触熱抵抗とは その3 接触熱抵抗を考慮した解析

2024年03月06日

前回のコラムでは、接触熱抵抗の推算方法を説明しました。
接触熱抵抗とは、2つの部品の接触面で発生する熱抵抗です。2つの部品は完全には密着しておらず、微小な凹凸により空気層が存在し、熱の移動が妨げられます。
今回のコラムでは、接触熱抵抗を考慮した場合、考慮しなかった場合で熱解析を行い、その結果を比較しました。


概要

接触熱抵抗の影響を考察するために、素子と基板のみの簡単なモデルを用意しました(図1)。


図1 モデル形状


素子と基板の接触面に接触熱抵抗を定義しました(図2)。
図2:接触熱抵抗の定義面


解析条件

表1に解析条件を示します。

表1 解析条件

接触熱抵抗の値は一例で、接触面に20μmの空気層があるものとして算出しました1)。
Simcenter FLOEFDによる熱解析を行い、素子の最大温度と断面の温度分布を評価しました。

結果

表2に素子の最大温度とその温度上昇を示します。温度上昇で比較すると8.4%の差が出ました。

表2 素子の最大温度


続いて、図3に断面の温度分布を示します。接触熱抵抗を考慮した場合では、接触面で約3℃の温度差が生じました。

図3 断面の温度分布


このように、接触熱抵抗の有無により伝熱の挙動は変わってきます。実製品の設計では接触熱抵抗の値が不明な場合が多いですが、実験結果と解析結果がどうしても合わない場合、接触熱抵抗を概算値として定義することで改善される場合があります。
また、各部品は放熱シートやグリスを挟んで接触している場合が多々あります。解析の際はこれらも考慮することが重要となります。

[From K. Sugahara]

参考文献
[1]国峰尚樹, 電子機器の熱流体解析入門, 日刊工業新聞社

解析タイプ 定常熱伝導
境界条件 基板裏面 25℃
素子発熱量 10 W
接触熱抵抗 0.00074 K*m2/W
固体の熱伝導率 素子(プラスチック)0.40 W/(m*K)
基板(PCB)10 W/(m*K)

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